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□絶対服従
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彼は一見すると、端正な顔立ちに浮かべる笑顔が似合う好青年。

実質根本は穏やかであり、他人を卑下することを嫌う。

しかし誰しもがそうであるように、相反する性質は少なからず持ち合わせている。
ただ少しばかり他人よりも自制心が強いためか、それを垣間見ることが出来るのは稀である。


「・・少し度が過ぎるよ。」
故にその一端に触れた時の感覚は、驚きと恐怖。
「・・・ピヨ」

「ゆ、幸村くん・・」


部室の中央に立つ白と赤の髪が、目前の人影に震える。

「はぁ・・・」

よく通る声が1トーン下がり、それは露骨に不満を顕にする。

「俺、言ったよね?あんまりふざけたら怒るよって」

「いやっその・・・俺らも」

「後輩として可愛がってただけぜ・・・」


「可愛がっていいのは俺だけだよ。」

有無を言わせない強い響きに二人は次の言葉を飲み込む他ない。

「二人とも覚悟は出来てるよね?」


今さら浮かぶ後悔が廻る中、仁王とブン太の目に写る幸村の表情は実に涼やかだった。
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