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□捨てて拾っての足掻くぼくら
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厄介だ。
ケリを着けても気づけば片隅に顕れる。
そして訳も分からぬまま翻弄されていく。
「・・・バッカみてぇ」
吐き捨てたのは言葉と
自嘲に隠して閉じこめた確かなモノ。
「先輩こそ」
そう言って顔を上げ、拾い上げた言葉に顔を歪ませる。
威嚇に滲ませ押し込めたのは何だ。
誤魔化したのはどちらだったのか。
きっとそれは
互いに同じモノだったのに
ー捨てて拾っての足掻くぼくらー
「なぁ、赤也。」
「・・・・・」
「・・おい、」
「・・・・・」
「何拗ねてんだよ?」
背を向け座り込む赤也に声をかけるが、それは虚しく宙を泳ぐ。
一体何がどうなってこうなったのか。
見に覚えのない不機嫌の原因に、ブン太は頭を抱えた。
「もう昼終わりッスね、俺先戻るんで。」
「は、」
「んじゃお先ッス。」
「おい赤・・」
広い屋上の扉に手をかけ赤也が思い切り引っ張る。
ガンっと重い金属音に遮られブン太の声は赤也に届くことはなかった。
「・・・・なんだよっ」
扉の先に消えた後ろ姿を見つめた後、ブン太は自棄になった体を地面に放り投げた。