短編
□過去拍手文
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なんで俺、此処にいるんだ!?)
目覚めれば見たことのない天井に慌てだすルークに部屋の扉が開く。
「お、目覚めたな!」
そう言ってルークに近づく見たことのある青年。
だが、ルークはまだ混乱している。そんなルークに気付いた青年はルークに目線を合わせ聞く。
「まさか…覚えてないのか?」
その一言にルークは自身を落ち着かせ、記憶を辿る。
確か…帰ろうとしたら雨が降ってて、でも小降りだからと走っていったら大雨になって、雨宿りしたけどあまりの寒さに震えて……
『大丈夫か?』
思い出した!!
あの時、傘を差し出してくれた人!
しかし、立ち上がろうとしたら目眩がして…その後の記憶がない。
「お前、倒れたんたぜ」
いつまでも黙るルークに青年が答える。
ルークは咄嗟に布団から出て正座をして頭を下げた。
「あの、迷惑掛けてわる、…すみませんでした!!」
「おいおい、頭下げる程でもないだろ。上げろって」
青年が優しく言うが、ルークは頭を上げても顔は俯いたまま。そんなルークに青年は溜め息を吐く。
彼の溜め息に怯えた様に肩が跳ねる。
(初めて会った人にここまで迷惑かけるなんて、俺はバカだ!!)
そんなルークの考えを悟ってか青年はルークの頭に優しく手を置く。
「とりあえず、飯作ったから…食べてくだろ?」
そこまで迷惑を掛けられないと顔を上げたルークは、青年と目が合う。
一瞬心臓が跳ねた気がした。
近くでみるとすごく綺麗な瞳にまた見とれた。
「ユーリ。ユーリ・ローゥエルだ。よろしくな」
「あっ…俺は、ルーク。ルーク・フォ「知ってる」」
えっ?と目を見開くルークに頭に置いた手をポンッと叩く。
「冷めないうちに食べるぞ」
優しい『彼』の手。