紙束

□ヴォイス
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何が何だか分からなくて、俺は立ち尽くしていた。
何が何だか分からなくて、俺は故郷を離れた。
とにかく、そこにいちゃいけない気がして。





放浪の旅の始まりだった。





ずっと、ずっとひとりだった。
ただあてもなくさまよった。
帰る場所なんて、なかった。







数回目の春が来て、
数十回目の夏が来て、
数百回目の秋が来て、
冬が来て、気が付いたら三百年も経っていた。
俺は、まだ子供のままだった。





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