紙束

□ヴォイス
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不老の体。
それは、俺に宿る呪いのひとつ。
呪いはただひたすら人の命を削り、喰らう。
俺に近づけば、そいつはたちまち死んでしまう。
だからひとりでいた。

『孤独』

それは、俺に宿る呪いの代償。







………それなのに、どうしてだろう。

俺は『寂しい』と思ったことがない。
どうしてだろう。
ずっと、ずっとひとりでいたのに。




三百年間、ずっと、ずっと、
誰かが傍にいてくれてるような、気がしてた。



どうしてだろう。





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