紙束
□ヴォイス
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―――故郷が壊れた、あの日。
俺は、ひとりじゃなかった……?
あの時、俺の隣に、
誰かがいてくれてた気がした。
誰だっただろう。
よく思い出せない。
ただ、約束したことは覚えてる。
いつかまた、必ず会おうと。
会って、必ず友達になろうと。
それは、俺の希望だった。
三百年も前の話。
そいつはきっと、もうとっくに死んでる。
だけど、
だけど、約束したから。
会って、友達になろうって、約束したから。
だから俺は、呪いを封じた。
暴れようとする呪いを、抑え込むすべを身に付けた。
あいつと、また会うために。
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