紙束

□鳥籠のトリ
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【side:T】



空が青い。
はっぱのゆれる音がする。

太い木のえだにすわって、あたしは空を見ていた。
朝からずっとここにいる。そろそろおひるねにもあきてきた。

ときどき下を大人たちが走っていく。あたしの名まえをよんでる。何回か師範も見かけた。

…あたしをさがしてる。

大人たちを見るたびに、あたしはすごくイヤなきもちになる。

なんでさがすの?
いつもあたしにイジワルばっかりするくせに。
お前なんていなくなればいいって、そんなことばっかり言うくせに。



………もうヤだ。



また足音がきこえた。
何もききたくなくて、見たくなくて、ひざをかかえて耳をふさいだ。
ひざとおでこをくっつけて、自分の息の音に耳をすませた。

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