お題小説
□その涙に口付けを
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ナルトがミルクを飲み終わる頃、四代目はあまりの眠さに意識が朦朧としていた。
そんなこととは露程も知らない、ナルトは「あぶあぶ」と赤子らしい言葉で父親を求める。
普段の四代目は、そりゃもうすごい親バカで、ナルトを連れて歩く幸せそうな四代目の姿を、里で見たことのない者はいないくらい。
誰彼かまわず、ナルトを見せて回るほどだ。
だがいつもと違う父親に不安を感じたのか、またナルトがぐずり始めてしまった。
「うぇ…、ふえぇ……んっ」
ナルトの泣き声に気づいた四代目は、ハッと目を見開いて膝に乗っていたナルトに意識を集中させた。
「うわぁ、ごめんねナルトιι」
しかし、いくらあやしても泣きやんでくれない。そうしている内に、ナルトの泣き声がだんだんと大きくなっていく。
このままでは近所迷惑になってしまう。
「どうしようか…」
しばらく悩んだ末、どうにかナルトを落ち着かせようと、少し散歩に出かけることにした。