お題小説
□その涙に口付けを
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「うわぁぁぁん」
現時刻は深夜2時。
真っ暗で静かな里にけたたましく響いたのは…四代目火影の最愛の息子・ナルトの泣き声だった。
2時…
眠い目をこすり、泣きじゃくる我が子へと重い足取りで向かう四代目。
「ナルト〜。どうしたの?」
あやすように抱きかかえると、父親の胸にしがみついてきた。よしよしと背中をなでてやる。
生まれて数ヶ月のナルトは元気な男の子。普段は泣かないナルトも、夜泣きだけは仕方がない。
さすがの四代目もこの夜泣きにはかなわなかった。
おしめ…は平気。んじゃミルクかな?
そう思い立つや否やキッチンへ場所を移し、慣れた手つきでミルクの準備を始めた。
人肌にまで冷ましたミルクをナルトの口へと運んでやれば、待ちわびた様子で飲み始める。
ふわぁ〜…とあくびをしながら時計を見ると、もうすぐ3時を回る時間になっていた。