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□早朝soddenness事件
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ばしゃんっ!!!
自分の髪からポタポタと水滴が落ちていく。
寝巻きが体に張り付いて気持ち悪い。
小十郎にたたき起こされ、眠気を少しでも覚まそうと外に出た瞬間、何故か俺はびしょ濡れになった。
「ぐっもーにん、政宗」
俺の目の前には桶を持って爽やかな笑顔を浮べる、幼馴染みであり恋人である○○。どうやら犯人はこいつらしい。
「Good morning. 朝からspecialな眠気覚ましThank you.」
「ちょ、顔めっちゃ怖いんだけど」
そりゃそうだ。内心感謝するどころか、結構怒っている。朝から寝巻きのまま水ぶっかけられたら誰でも怒るだろ。
「最近政宗がなかなか起きないって小十郎さんが嘆いてたから、お仕置きしてやろうと思って」
寝起きの俺に水をぶっかけることがお仕置きなのか…。
なんで○○はたまに、こう、変なことを考え付くんだろう。
「ありえねー」
「えー。私は結構気にいってるんだけど」
「俺は全く気に入ってない」
つまんなーい、と頬を膨らます○○の顔を両手で挟む。
「ぶふ」
「…ひっでー顔」
「最低!」
「朝から自分の恋人に水をぶっかける奴に最低だなんて言われたくねーよ」
「うあっ!?」
俺は○○の体を抱えて屋敷の中へ入った。俺が歩いた後に水滴が垂れていき、掃除をしていたであろう女中があからさまに嫌そうな目で俺を見るがそんなことは気にしない。
寝室に近づいた時、小十郎が現れた。
びしょ濡れの俺の姿を見てかなり驚いたようで、一瞬Freezeしていた。
「ま…政宗様、それは一体…」
「○○にやられた」
「はい?」
「いや、政宗が起きないっていうからちょっとお仕置きしてやろうかなと」
「○○…お前は…なんでこう、たまにおかしなことを思いつくんだ」
小十郎は俺の思っていたことと同じことを思っているようだ。
「今度は俺は『お仕置き』する」
「政宗様!!」
「止めても無駄だぜ。朝から一国の主をびしょ濡れにした女はそれなりにお仕置きしてやらねーとなぁ」
俺が考えていることがわかったようで、小十郎は止めようと口を開いたが、すぐにその口を閉じて深いため息をついた。
「ほどほどになされよ」
「ちょ、小十郎さん!止めてよ!嫌な予感しかしないんだけど!」
「○○、今回は諦めろ」
「ひど…あとで小十郎さんにも水かけるから!!」
○○の言葉を適当に流して、小十郎は去って行った。
「味方はいねーぜ?」
「……やらしいことしたら毎日水かけに来るから」
「上等だ。かけられるたび、やらしいことしてやる」
寝室に入り、敷きっぱなしだった布団に○○を寝転がして馬乗りになる。
「ちょ、本気でやらしいことするつもり!?」
「All right.」