小学生の時、俺はいじめられていた。 当時は辛くて辛くて、でも親は俺の話を聞いてくれなくて、小十郎には言い出せなくて、ひたすら自分の殻に篭り続けた。 卒業し、それなりに有名な私立校に入学したが、状況はなんら変わらなかった。 いじめてくる相手が変わっただけで、俺は標的のまま。 ずっとこれが続くのだと、そう思っていた。 ある日、俺は警察沙汰になるぐらいの暴行事件を起こした。 気がつくと周りには顔面を、まさにぼこぼこにされたクラスメイト数名がいたのだ。 警察は俺に話を聞いてきたが、俺はまったく覚えていない。拳が痛んだから、自分がやった、というのはわかる。でも、記憶がない。 幸い、他のクラスメイトたちが「金をせびられて拒否したら、財布を盗られた上にリンチされていた」という証言をしてくれたおかげで、正当防衛ということになり逮捕という事態を免れた。この時ばかりは、いつも見てみぬふりをしていたクラスメイトに感謝した。 それから俺の日常は一変した。周りは俺を恐れ、手を出してこなくなった。 孤独なのに変わりはないが、いじめがないだけでかなり快適な生活を送れるようになった。 しかし、高校に入学してから、俺は自分の中のもう一人に気づくことになる。 高校の入学式。 正当防衛とはいえ暴行事件を起こした俺は、親が希望した名門高校に入学出来ず、普通の公立高校に入学した。 そこで、小学生の時俺をいじめていたグループの男子二人と再会した。 もう十六歳なんだ、こいつらも大人になってる。相手にしてこないだろう。 そう思ったが、見事裏切られてちょっかいをかけてくる。 鬱陶しい。 そう思った時、 『こいつらが憎いんだろ?仕返し、してやればいい』 自分の中で自分の声が聞こえた。 それから俺は自分自身がしていることを傍観することしかできなくなった。 二人のうち一人を呼び出した『俺』は、気が済むまで殴り続けた。 「なぁ、もう一人も連れて来いよ。そしたら、お前にはもう手を出さねぇからさ」 気が済んだあと、『俺』はそう言った。そいつは黙ってひたすら首をたてに降るともう一人を連れてきた。 薄っぺらい友情だ。 「あいつ、自分が助かるために俺にお前を売ったんだぜ」 そう言って笑いながら『俺』はもう一人を殴っていた。 全身あざまみれになり、友情が破綻しても、二人とも『俺』からの仕返しを恐れてか周りには何も言わなかった。 それから『俺』はありとあらゆる手を使って、いじめをしていた奴等を探し始めた。 見つけては殴りとばしたり、交友関係を破綻させて孤独にさせたり。 正直最初は気分がよかった。 ざまぁみろ。 そう思っていた。 でも、××○○だけは違った。 大学の先輩の元親に半ば無理矢理参加させられた合コン。 そこで××○○を見た時、俺は同じ大学に通っていたことに驚いた。が、すぐに『俺』が現れた。 『俺』が考えることは俺にもわかる。今度は何をするのだろう、そう思った時、 『いい女になってるじゃねーかよ。ヤッちまうか』 今まで色々やってきたが、流石に強姦には抵抗がある。 でも、××○○はグループの中心人物。憎いのに変わりはない。痛い目に合わせてやりたい。 そう思った。 しかし、その思いは二人きりになってから揺らいだ。 俺に謝罪し、反省している、何をされても構わないと言ったのだ。 まっすぐ俺を見て、震える声でそう言う××○○の覚悟が伝わってきた。 しかし、『俺』はそれがつまらないらしく首を絞めたり、前戯なしで挿れたり、中に出すなんて脅しを言って最後まで痛ぶった。 . |