「××○○は他の奴とは違ったのに、なんであんな酷いことしたんだ…」 ××○○の服を買い(『俺』が奪ってきた××○○の金は使わなかった)、ホテルに戻る途中『俺』にそう言うとハッと鼻で笑うだけで何も答えなかった。 苦痛に歪む××○○の顔が頭から離れない。 復讐は何もうまない、なんて漫画とかアニメで言ってた気がするけど、そんなの嘘だ。 俺は満たされていた。同じようなめにあって、助けや許しをこいながら孤独になっていく奴等を見ながら。 ただ、今回は違う。 俺が甘いのかもしれない。でも、謝ってきたのは××○○が初めてだったし、嘘をついているような態度ではなかった。 だから、許せばよかったんだ。 たかが小学生の時の出来事じゃないか。 ホテルに着いて服を着せて家まで送った。 まだやりたりないのか、そう言われた時に俺は悪かった、としか言えなかった。 本当に、悪かったと思ったから。 きっと××○○が俺に対して抱いていた思いと一緒だと思う。 謝っても、許されることじゃないけど、謝らずにはいられない。 小十郎の反対を押しきって、俺は大学をやめた。 俺がいれば××○○は大学に行きにくいだろうし、何より『俺』が何かするかもしれないという恐怖があった。 しかし、予期してなかった自体が起こった。 ××○○が俺を訪ねてきたのだ。 俺は家にいれることを拒んだが、『俺』がそれを許さなかった。 小十郎に案内され、部屋に通された××○○は妙に落ち着いていた。 『俺』はそれがまた気に入らないらしく、チッと舌打ちした。 「かわいげねーよな。そんな落ち着いてここに来れるなんてよ」 「…なんとなく、気になって。話したくなった」 |