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□Another:伊達さん家のメイドさん
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両手は頭の上で拘束され、アイマスクをされていて視界は真っ暗。両脚はベッドの柵に拘束されてだらしなく開いたまま。
服は着せられず、胸の突起にはローターをつけられている。秘部の突起にもだ。
中にはバイブが埋め込まれて、それぞれが絶え間なく私を刺激してくる。

「ふぅーっ!んー!」

口にはめられた猿轡のはしからだらしなく唾液が垂れていくのがわかるけど、そんなことを気にしている余裕は全くない。

「ん、んっ、んぅーー!!」

何度目かわからない絶頂を迎えたけど、玩具は変わらず刺激を与えてくる。


私をこんな状態にした張本人である政宗様は「出掛けてくる」と言って出て行ってしまった。

つまり政宗様が帰ってくるまで、私はこれに耐えなければならない。
最初は多少拾えていた快感も、今は苦痛になってきて意識が朦朧としてきた。

「いやぁっ…あぁぁっ、あっ…もぉっ…やめてぇ…!」

どんなに逃れようと体を動かしても、それぞれは固定されていて逃れられない。
もういやだ、おかしくなる。

そう思った時、突然バイブが出し入れされた。

「やぁぁあっ!あっ、あぁぁっ、だめぇっ!!」

奥を突かれてさらに強い刺激が襲ってくる。

「I'm home. いい子にしてたか、Honey?」

「あっ…まっ…さむねっ…さまぁっ…!」

「こんなに濡らして…そんなにこれが気に入ったか?」

「いや、ちがっ、あぁぁぁっ!!」

強い刺激に耐えきれず、また達した私は意識を手放してしまったが、すぐに引き戻された。

気づいた時にはアイマスクもなく、手枷や足枷もない。猿轡も玩具も取り払われていた。
でも、バイブより質量をもったものが中をかきみだしている。

「はぁっ…あっ…政宗様ぁっ……」

「Ha! やっとお目覚めか?」

私が起きたのを確認すると、政宗様はニヤリと笑みを浮かべた。
手を伸ばし、私の汗で額にはりついた髪をのける。

「放置プレイってのも、いいもんだろ?」

「よくないっ、です…!」

「何も知らねー元親呼んでみるってのも考えたんだけどよ」

「アァッ!?」

奥を突き上げられて体が跳ねる。政宗様は余裕なようで、ぐったりしながらも快感を拾う私を楽しそうに見下ろしている。

「こんなにエロくなってる○○、元親にヤラせるなんてもったいねーだろ?」

「ぁっ…ん…もぉっ、無理です…」

「弱音吐いてんじゃねーよ。無理とか言って、しっかり感じてるじゃねーか」

「あぁっ、あっ、やだぁっ、激し、ですっ…!!」

激しい、でも的確いいところを突いてくる政宗様。
体に力が入らないぐらいぐったりしてるのに、無意識のうちに中は政宗様のものを締め付けてしまい、さらに快感が増す。

「締め付け最高だなっ…」

「政宗様っ…いやっ…あぁっ…もぉっ」

「イキそうだ、ってか?」

動きが早くなり、水音と肌と肌がぶつかりあう音が妙に頭に響く。
政宗様の息も荒くなり、先ほどまでの余裕のある笑みはもうなかった。

「アァッ、ア、んんっ、もうっ、イッちゃぅっ…!!」

「OK…イケよっ…」

「あっ、あ、んぅっ、あぁぁぁっ!!」

「っ………」

中に熱いものが流れ込んでくるのがわかる。その直後、意識がとんでしまった。







「……ん…」

目が覚めると、自室のベッドの上だった。パジャマを着ている。汗のべたつきなんかもないあたり、政宗様にお風呂にいれられたということがわかった。

重い体を起こして部屋を出てリビングに行くと、政宗様がソファに座ってボーッとしていた。
テーブルの上には食べかけのコンビニ弁当が置いてある。

「政宗様…」

「起きたか。…体、だりぃだろ?」

「まぁ……はい…」

「飯作る奴がいねーからコンビニ弁当買ってきたんだけどよ、口にあわねー」

ご飯を作るのは私の仕事だ。起こしてくれればよかったのに。
いつもどんなに疲れてようが、学校の宿題があろうがメイドの仕事とかそれ以上のことさせるのに、たまに優しいから、嫌いになれない。

「何か作ります。お弁当はもったいないから私があとで頂きますね」

「No.もうすぐ小十郎が出張から帰る。寿司買って来いっつったから。一緒に食え」

片倉さん、可哀想に…。どこまでもこき使われちゃうんだなぁ…。

政宗様はゆっくり立ち上がって私に近づいてきた。真っ直ぐ私の顔を見つめてくる。……なに?

「……どうかしました?」

「…ムラムラしてきた」

「What!?」

だ、だめだ、びっくりし過ぎて政宗様口調がうつった。

「さっきしたばっかりですよ!?」

「いや、俺若いから」

「知ってますよ」

「……まぁいい。ちょっと抱き着くぞ」

「わっ…」

ギューッ、という効果音がピッタリなぐらいの抱き着きっぷりだ。

私と政宗様は恋人でも何でもなく、ただのメイドと雇い主の関係。
片倉さんがいない時に、政宗様は私をしたいようにする。それもメイドの仕事とは言えないことばかり。

でも、私は心底嫌だとは思っていない。自分でも理由はよくわからないんだけど。

「…どうかしたか?」

私が無反応なのが気になったのか、政宗様が体を離して私の顔をのぞきこむ。
やりたい放題だったり、たまにこんな風に気を使ったり、よくわからない人だな。

でも、優しくしてきたり、気を使ってくる時は決まって寂しそうな、怯えたような、そんな目をしている。

「いえ、なんでもないですよ」

そう言って笑うと、政宗様の目から憂いは消える。

「あー、早く小十郎帰ってこねーかなぁ」

「そうですね。私もお腹空いちゃいました」

恋人ではなく、雇い主とメイドで。
体の関係はあるけど、お互いの気持ちはわからなくて。

こんな微妙な関係。
よくないことはわかってるけど、もうしばらくこのままでもいいんじゃないかなって、隣で笑う政宗様を見てそう思った。






『伊達さん家のメイドさん』を書こうと思った時に、ちょっと書いてた話に色々付け足して書き上げました。

当初はとにかくエロ中心だったのですが、

『エロだけじゃ話がもたねぇw』

ということで、今の『伊達さん家のメイドさん』の形になりました。

短編、中編がシリアス多いので長編でアホなノリをやったりするのが楽しいです。
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