inside of a glass

□Gimlet
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「そのポーズ、」

新しいCMを見て、微笑みが漏れるのは仕方ない。
あと二年を切ったその話題にのっかって、いろんな広告やニュースや、CMが増えてるわけで。

今更といえば今更かもしれないけれど。
あの時の想いを語る姿や言葉、薄い色のジャケット姿も様になっていて、あとはいつもより少しだけアツイ印象の姿が印象に残る。

なんともいえないポージングは、指示があったからなのか、自然と隣に寄せたものなのか。

そんなことを考えながら、少しの寂しさを紛らわせた。



その数日後。


「良かった」

テレビを見つめながら、緊張していた心が緩んだのは無事に終えることができたからだ。
らしい、姿をテレビ越しに見ながら、喜びが溢れた。

思わず、親友にメッセージを送る。
解説をこなす親友は、近くで見ていて、その熱気だったり、素晴らしさだったり、きっともっと感じているだろう。


「おめでとう」

一人きりの部屋で、小さくお祝いの言葉と拍手をしながら、頬が緩む。

こういうとき、すごい人を好きになったんだなぁとか、やっぱり寂しくても好きだと思う。それから、誇らしさと少しの気後れ。

ほっと一息ついてから、興奮の冷めない身体を持て余して、それから。


こういう時。

寂しさと興奮とがないまぜになって、どうしようもなく恋しくなった時。

オトナ女子特有の身体の静め方を、生憎知ってしまっている。
そっとベッドに潜り込んで、電気を消すと静寂の中で、幻聴を耳にした。


『ね、名前さん』


その声に惑わされながら、夜が更けた。



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