08/25の日記

21:50
24時間で小話(本編ヒロイン)
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「なにそわそわしてるの」

「だって、」

テレビの前。
聞いておいてなんだけど、ナニを楽しみにしてるかなんて、聞かなくても知ってる。

玉葱型の屋根を持つ会場。
そこに詰めかける人々と、おきまりの曲。

夏の終わりの風物詩番組。


「ミッキーが出るんだよ?!」


「なんでそっち、」


彼女が叫んだのは、キャラの話。
俺も一緒に出てるんだけど、とか想いながら。


それから数時間。




「少なすぎない!?」


コーナーが終わって、コメントを求められた女優さん達が喋る中で、彼女は怒っていた。


「あれってコラボにはいる?!」
「てゆーか、ミッキー全然うつってませんけど!」
「脇役すぎですけど!」

怒涛の不満オンパレードの中。


「てか、俺も出てたんですけど。」


こんな展開になるとは。
予想外の展開でこっちも悲しくなる。

編集の関係も具合が悪かったかもしれない。
彼女の好きなものとのコラボなわけだから、もっと最後は『良かった』とニコニコと楽しげに笑って欲しかったし、そうなる予定だった。

「東京じゃなくても、楽しみにしてたのに」

唇をつんとさせて、拗ねてるところも可愛いなーなんて。

「俺はどーだった?」

苦笑しながら、でも、悔しくて一応問いかける。

「綺麗だった。それに、」

「それに?」

「なんでも、ない」

何故か急に怒りが収まって、おとなしくなった彼女。
ちらりとこちらを見て、綺麗だった、ともう一度繰り返した。

「歌詞、あーゆー意味だったんだって初めて見た気がする」

あーゆーというのは。
常々、震災の事を思って滑ってると解説が入ることが多かったり、歌詞が出てもそのままイタリア語が多いから、和訳で紹介されるのは珍しい。


ここぞとばかりに。


おとなしくなった彼女を抱き寄せた。


「一緒に居るようになってからさ、」


ぎゅっと腕に力を込めた。


「時々、あの歌にふたりのことを重ねるようになったんだ」


一度、手放しそうになった恋。
でも、手放さずに済んだことは奇跡だ。


怒ってるところを見れるのも、一緒にいるから出来ることで、一緒に居られるだけでまずは幸せだ。



「また、一緒にミッキーに逢いに行こ?」


そう提案すると、腕の中でコクリと頷くのが見えて。
その素直さに満足して、そっと尖っていた唇を喋んだ。
 




それは、少し涼し気な夏の終わりの夜のお話。


***

や、ほんとに楽しみにしてたんですよ。
たとえ、オンアイスのミキミニが、東京のお顔と違うとも。個人的には東京のミキミニが好きだから、もどかしいと思ってたんですけど!でも、ディズニー押しだから!

ほぼ、このヒロインちゃんに言わせたことはわたしの叫びです(笑)
あれはコラボではないのでは。や、羽生さんは、あれはあれで素敵だったけど!でも!ミッキーに誰か触れてあげてよー。ほったらかしやーん!

なんか、ディズニー愛が不完全燃焼だ!

悲しい、、










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