*めいん*
□君がいれば
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君がいれば
君がいれば僕はなにも要らなかった。
君も僕がいればなにも要らないと言っていた。
僕はその言葉だけで嬉しかった。
君が僕を見ないようになったのはアーカーシャの剣で君の父、皇帝シャルルを殺してかだ。
"忙しい"そういわれればそうだが君は僕と君だけの時は僕のことを一度も見なくなった。
君が皇帝になる前から聞いていた、君を僕が殺す計画。
君はやっと『世界中の憎しみが俺に集まった。そして俺が死ぬことで、世界を幸せにする』
と微笑みながら言った。
『君の優しさはアッシュフォード学園にいたころからかわらないが最期には世界にも優しくしなくてもいいのに…』
僕はずっとそう思っていた。
〜〜〜〜〜
そして僕が君を殺す日
君は最愛の妹に愛を言われ息を引き取った。
そこまでは僕の許容の範囲中だった。しかし民衆は…
「こいつのせいで俺の家族は死んだんだ」
「こいつさえいなければ俺の家族は普通に生活できたんだ」
「なんでこんな子どもが世界統一をしたんだ」
「シャルル皇帝の時代にはこんな苦しいことをするのはナンバーズだけだったのに」
などという罵声を君に浴びせている。
僕が呆然としている間に君の最愛の妹は君の姉に助けられた。
そして民衆は思い思いの刃物を持ち、息のない君を切っていった。
君の首が落とされたとき僕は、はっとした。
そして
「生前悪逆だったとしても(言いたくない)、死してなおも悪事を働く事はない。(君にこんなこと言いたくない)その者は私、自ら葬送しよう。」
君はナナリーのために世界のために死んだのに…
それなのに民衆は
「ゼロ様なんたる寛大なお言葉」
などとおかしなことを言っている。
しかしそれを無視し、僕は君の首と胴を抱え咲世子のいるところまで行く
〜〜〜〜〜
ナナリーが居る、コーネリアが居る、ヴィレッタもニーナも天子様も星刻にリヴァル、アーニャ、ジノ、黒の騎士団の面々、神楽耶、そしてC.C.が居た。
ナナリーは涙を流し咲世子もいまにも泣きそうな顔でC.C.以外の面々は悔しそうだった。
「なんで…なんでなにも言わなかったのよ。」
沈黙のなかカレンが言葉を発した。
「あいつはたしかに優しかったわ。でも自分の命を棄ててまで世界を幸せにするなんて」
その一言で皆が堰をきったかのように鳴き始めた。