Novel

□*再会
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 誰か、教えて。

 あたしは今どうして、こうしてるの?

 彼とここで逢う約束をしていた筈なのに。



 身体が、もうどこからなのかさえ判らない程痛みを訴えているけど、それよりもっと痛いのは―――心?



 ねぇ、修。

 あなたじゃない男に無理矢理暴かれた身体が、心が、あたしを切り刻んでバラバラにしていく。





再会





 ───昔からそうだった。

 男と女の何たるかを知らない頃から纏わり付くのは、嫌悪を感じずにはおれない程の、異性の視線。

 学校の帰り途中、道を訊いて来た男が急に抱きついてきたり、人の多いところを歩けばやたら下品な男が絡んで来たり。

 それが嫌で嫌で堪らなくて、出来るだけ男の気を引かないよう、身を纏うものも地味なものにしてきた。


 けれどもどんなに肌を隠しても、どんなに気配を殺しても、男達の視線は数いる女の中からぴたりと自分を見つけ、止まるのだ。


 身を守ることに集中しながらも、平凡に生きていたつもりだった。



 あの男と出会うまでは─────。













 

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