夜桜が散る時に
□pleasure
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「刀を下ろせ。…総司、お前もだ」
「…わかりましたよ」
総司と呼ばれた彼が刀を下ろしたのを確認し、僕も刀をしまう。
「…でも、いいんですか?この子達を生かしておいても厄介なことにしかならないと思いますけど」
「……とにかく、こいつらの処分は帰ってから決める」
「俺は副長の判断に賛成です。長く留まれば他の人間に見つかるかもしれない」
僕達を置いて勝手に話を進めるな。と、言いたいとこだか、いーや。めんどい。
「ねぇ、ところでさ…助けてもらったのに、彼と僕に御礼の一つもないの?」
「…え?」
この空気で御礼を言う訳ないだろ。もししたらバカd「あ、助けてくれてありがとうございます!!」……。
『「「「……」」」』
「――っ///。私も場違いかと思いましたよ!?でも、この人がっ!!」
「あはははっ!!ごめんごめん」
『…、面白い』
彼女の頭に手を乗せ微笑んだ。そしてそっと撫でる。
「〜〜っ///」
「――副長、そろそろ」
「そうだね、行こうか」
彼女の手を握り歩きだす男。…彼女の顔が歪んでる。それほど強く握っているのか。
逃げ出さないようにしてるってことだな。…ハッ。この子は女だというのに。
「ほら、てめぇも行くぞ」
……は?
『何で僕が。嫌だね』
「!?…お前、こいつの仲間じゃねぇのか…?」
『違うけど』
「!?」
だいたい、僕には人間の知り合いなんていないしね。作る気もないし。
「…あれ?行かないんですか?土方さん」
「…っ。…すぐ、行く」
――パチリ
彼女と目が合った。…どうやら彼女は僕と彼の会話が聞こえていたらしく、顔色を青くしていた。一人だと心細いんだろう。きっと。
はぁー、首を突っ込んだのは僕だし、仕方がないなー
『…気が変わった』
「…!!」
彼女達の後を追う。数歩遅れて彼もついて来た。
場面変わってここは新撰組の屯所。腕や足、体全体に縄を付けられ部屋へといれられた。こんな縄、すぐに切れるんだけどね。…それに、刀を取られた。人間の分際で僕の刀に触るなんてふざけてる。
「ぅ…んー…」
隣ですやすや眠る彼女を見る。…寝心地わるいだろうに、よく寝てるよね。
にしても彼女…どこか人間とは違う感じがするんだよなー…。もしかして女鬼だったりして…。
…さて、僕も軽く仮眠をとるとするか
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