夜桜が散る時に
□converse
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「昨晩、京の都を巡回中に浮浪の浪士と遭遇。相手が刀を抜いたため切り合いとなりました。隊士等は浪士を無力化しましたが、その折彼らが"失敗"した様子を目撃されています」
「私何も見ていません!!」
否定したって無駄だろ。彼らは一部始終を見ていたのだから
「本当に?」
「はいっ!!」
「ふーん。見てないならいいんだけどさ」
「あれ?総司の話では君達が浪士を助けてくれたって話だが…」
…なるほどね、これが言わゆる誘導尋問ってやつか。
「ち、違います!!私が浪士に追われてる所を彼達に助けてもらったんです!!」
この子は正直、それを知っててわざわざやるとは、非道だなぁー…
「じゃあ浪士が斬ってる所を見ちゃってるんだな?」
「…あ」
自分の失態に気づき口を塞ぐがもう遅いよ。
「わ、私達誰にも言いませんから!!」
は?"達"?何故僕も入ってるんだ。僕は言わない義理はない←
「貴女はそういいますが、今の様に口が滑ってしまうかもしれない」
「…っ」
「男なら腹をくくって切腹『は?』え?」
『この子女の子だけど』
雰囲気でわかれよなー
「えぇ〜!!女ぁぁ!?」
「この近藤勇、一生の不覚!!」
「あ、あの…いつから?」
『あ?最初からだが?君、可愛いからバレバレ』
「か、かわっ!?///」
あははっ照れてるー。ホントに可愛いな…←
「――イチャイチャしてんじゃねぇ」
「イ!!イチャイチャ!?」
『何ー?うらやましいのか?』
「なっ!!//」
あ、赤くなった。
「何赤くなってるんです?土方さん」
「〜〜っ。……昨日、何故あの場所にいたかを言え。嘘はつくなよ」
話変えた。っつーことはもしかして図星とか?
「じゃあ彼女から言ってくれ」
「はい…申し遅れましたが、私は雪村千鶴と言います。江戸には父を探しに――…」
「――そうだったのか…。して、お父様の名前は?」
「父は雪村綱道と言います」
「「「「!!!?」」」」
雪村綱道?…たしかあのふざけた"変若水"を作った張本人だっけか?そいつの娘って女鬼じゃなかった?え?って事はやっぱり彼女は鬼?同胞者?
「…綱道さんの娘となっちゃ殺さず終えないな」
「!?父をご存知なのですか!?」
「……綱道さんは今消息をたっていて、新撰組が探している」
「!?」
「あ、勘違いしないでね?僕たちは綱道さんを狙ってるわけじゃないから」
「父様……」
「――昨夜の件は忘れるって言うんなら父親が見つかるまでお前を保護してやる」
「あ…ありがとうございます!!」
彼女は副長さんの小姓になった。…で、次は僕の番ってことか。皆が僕を見ているしねー…。
『僕は…』
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