夜桜が散る時に
□provocation
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『僕は柏木。下は君達男なんかに言うつもりはない』
「……」
『男に呼ばれても嬉しくねぇからな』
「…君、もしかして女好き?そういえばさっき千鶴ちゃんを口説いてたよね?」
『女好きじゃない。可愛い子が好きなだけ。彼女みたいにな』
「っ//」
「タラシだねぇ」
『そうか?』
「――いいから続けろ」
話しがズレてきた所で土方が戻した。…つーかさ、先にずらしたの沖田じゃね?なんで僕が悪いみたいにななってるんだよ。別にきにしねぇけどよ。
『…僕はある噂を聞いたから、それが本当なのかを確かめるために3日前から京に来た。で、昨晩も調べていて、いつのまにかに暗くなっていたから、そろそろ帰ろうかと思い宿へ足を向けたが、悲鳴が聞こえたためあの現場へと行った。…まぁざっとこんなもんだな』
「ある噂ってのは何だ」
『ん?それは…ね』
チラッと彼女を見る。この話しを彼女は聞かないほうがいい、そういう意味を込めて。
するとわかったのか土方が斎藤に彼女を部屋へと移動させた。…斎藤が入ってきたとこで、話しを再開させる。
「で?噂って?」
『…白髪に赤目の化け物を見た。っていう噂さ』
「「「「…!」」」」
『白髪に赤目の化け物で思うのは"変若水"。一度狂った人間を見てみたくてさ…ま、目の前でみれたし、お相手もできたし、来たかいあったよ』
「"変若水"をご存知とは…貴方は、何者なんです?」
『…まぁ、"変若水"の関係者と言えば関係者かな』
もともと変若水は僕達鬼真似てやったもの。関係ないとは言えないよな。
「…どうするんです?土方さん。僕は殺したほうが良いと思いますけど」
『ふっ…』
「…何がおかしいの」
『君に僕は殺せないよ。僕と君は天と地ほどの差があるしね』
「…へぇー、縛られているのに『そんなの関係ないね』…じゃあ試してみる?」
『どーぞ』
「なっ、まて!!総司!!」
土方が止めるが、耳には入れず僕に切り掛かって来た沖田。彼の刀を利用し手の縄を切らさせる。
――ハラリ…
手の縄が落ちたところで、僕は懐に入れていた扇子を取り出しバッと開く。
「扇子で刀に勝てると思ってんの?」
『ただの扇子じゃねーよ。良く見ろよ』
手に持っている扇子は折り目に合わせて刃がでている。因みに扇子には夜桜が描かれている。
「…仕込み扇子?」
『あぁ。…これで何人かの命を奪ったぜ?』
と、いうのはもっぱらの嘘。殺るときは刀で行かなきゃ…ね…。
――カキン!!
鉄同士がぶつかる。両者どちらともかすり傷は愚か、息などあがってはいない。
『新撰組1の剣士ってこんなもん?つっまんねー』
そう言った途端、殺気と共に、威力と速さが上がった。…扱いやすいな
『ちょっとは楽しめそうだな!!』
初めて僕から前へ出た。
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