夜桜が散る時に
□smile
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「――やめたまえ!!」
近藤さんがやっと止めに入ってくださった。…もっと早く止めてほしかったぜ…
『んだよ。せっかく楽しめると思ったのによ。…沖田総司だっけ?君、こいつの言うことは無視するくせに彼の言うことは聞くんだな』
…こいつとはきっと俺の事だな。総司のやつ、後で覚えとけよ。
「やだなぁ…当たり前でしょ?」
今総司のやつなんつった?
「…おい、それどういう意味だ」
「そのまんまの意味ですよ」
「……」
……ぜってぇ後でシメる。
「…まぁ、2人とも、座ってくれ」
おとなしく座った柏木は姿勢を正して近藤さんを見た。
『…僕は男が嫌いだ。こんなむさ苦しい所からさっさとだしてくれ』
…言ってくれるな。確かに男しかいないが、柏木も男だろ。
「ははっ…今は我慢してくれないか?」
『……』
無言は了承って事にしとおくか。
『――で?君達どうすんの?殺す?僕の事を(ニコッ』
「…いや、てめぇの身柄も俺達新撰組で預かる」
『「!!!?」』
「"変若水"の関係者となったら野放しにできねぇし、殺される気もないんだろ?」
だったら身柄を預かるしかねぇよな…。
『…嫌だね』
「…もし新撰組におとなしくいるって言うなら、雪村と同じ部屋にしてやる」
あいつには悪いがそうするしかねぇな…。女好きだとしても、さすがに手はださねぇだろ………多分。
『……嘘じゃ、ねぇな?』
「あぁ」
「ま、まて!歳!彼女の許可なく決めるのは…」
「そうだな…斎藤、頼めるか?」
「御意」
斎藤に雪村を連れて来るように頼む。……抵抗があるだろうが、あの性格だ。きっと断らない。いや、断れないだろうな。
「――え!?私と柏木さんが!?」
「…あぁ」
「む、む、無理ですよ!!」
「だってさ」
…まさか断られるとは思っていなかったからな。
さて、どうすることか…
『…千鶴』
「は、はいっ!!」
柏木は雪村の肩に手をおき、口を耳のそばに寄せ何かを呟いた。
『僕は女だよ』
「えぇ!?そ、それ本当ですか!?」
『本当だよ。それでも、ダメか?』
「い、いえっ!!」
『さんきゅ(ニコッ』
「///」
『あぁ、今のは2人だけの秘密だからな?』
「…はい//」
??いったいなんて言われたんだ?…まぁ雪村が了承してくれたし、いいか。
『じゃあこれからよろしくな?(ニカッ』
クルッと俺達に向き合い、柏木は歯を見せ笑った
「「「「っ!?//」」」」
こいつは男のはずなのに、とても綺麗だった。
―出会い― 完
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