蕾が咲いた
□壱
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―異世界―
『いたたたた、』
…何なんでしょう、一体。10年バズーカかなんかですかねぇ?
…いや、10年バズーカではないですね。ここはまるで一昔前のジャッポーネの町並みみたいですから。…と言うことは、どうやら僕は何かしらに当たり、まぁ大方、あのツルツル(ジャンニーニ)の発明品かなにかだとは思いますが、…過去に飛ばされた、ということになりますかね。しかも数百年ほど前に…。
『……』
先ほどから刺さる視線が嫌ですねぇー。まぁ仕方がないかな?服があれなだけに。(黒いマント。因みに中身はタンクトップに短パン。ニーハイにアームウォーマ)
とりあえず歩いてみる。さて、どうしましょうか。いつ戻れるかわからないし、寝るところを確保しておきましょうか。野宿はいや、ですからねー。
――夜
『どうしてでしょう?』
何処が宿なのかわからず、夜になってしまった。と、いうのは口実で、実は寝てしまっていたのだ。どっかの屋根の上で←
日当たりがよかったのですから仕方がないでしょ!!
太陽は沈み当たりは真っ暗だ。ちょうど雲で月が隠れてるいるからね。
…今から宿を探すのは無理だよね。……よし、屋根で寝るとしますか。
「ひひひひっ!!」
『…?』
人が気持ち良く寝ていたというのに、誰ですか?僕の眠りを妨げたのは…。
下を見てみると、そこには白髪の男達が、同じ羽織りを着た(おそらく仲間)にグサグサと剣を刺していた。
クフフ…。狂ってますね。
…おや?あそこに人が。どうやら震えてるようです。まぁ無理もないと思いますが。
――ガタッ
おやおや。あのまま動かなければよかったものの…。
化け物達は少女(男装はバレバレですからね)に気づいた様で、ジリジリと近づいていく。少女はというと、恐怖で動けないようだ。
…仕方がありませんねぇ。人助けは好まないんですが、女性の方ですし助けてあげましょう。
――キ--ンッ
化け物が少女に振り下ろした刀を三叉槍で受け止める。
「……え?」
『……』
「っ//」
少女は驚きを見せていたが、僕は軽く微笑み三叉槍を化け物へと向けた。
「ヒヒャヒャヒャ!!」
『クフフ…、ほんと狂ってますねぇ』
――グサッ
向かって来た化け物の腹を貫通させる。…おや、おかしいですねぇ。腹を刺したと言うのに狂ったように笑っている。
『っ!!』
僕としたことが、まさか怪我をしてしまうとはね…。
「あのっ、血、血が…っ」
『……クフフ、お気にせず』
やられたままと言うのは気に入りませんし、やり返すとしますか。
――グサッ…ゴトッ
こんどは首を落とした。
「ひっ!!」
…あ、惨いものを見せてしまいましたね。すみません。
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