蕾が咲いた
□弐
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ラストの一人を殺ろうとそいつに向かったら、そいつは僕に倒れてきた。……?こいつ、死んでる…。
倒れてきた奴の陰から出てきたのは僕みたいな髪型の男と、マフラー?を巻いた男だった。
――ドサッ
死体を地面へと落とす。最悪だ。こいつの血がべっとりとついた…。
「ねぇ、こいつらを殺ったのは君?」
『クフフ…こいつら?元は仲間だったのでは…?』
「…質問してるのは僕だよ」
雲雀君みたいな性格してますねぇ…彼は。
『おや、これは失礼しました。…だが、質問に答えるつもりはありません』
「へぇー…。…で、どうするんです?土方さん」
「っ!!」
先ほどの彼女に刀を向ける土方と言われた彼。…土方?ってもしや、土方歳三?…いや、ありえなくもないですね…。ここは昔のジャッポーネのようですから。
「運のないやつだ。いいか、逃げるなよ。背を向ければ斬る」
コクコクと頭を縦に振り、頷く彼女。…可愛いですねぇ。愛らしい…。
「……そこのお前は妙な真似すんなよ」
『……』
――カチャン
刀をおさめた土方という男。
「あれ?いいんですか、土方さん。この子達、さっきの見ちゃったんですよ?」
「いろいろ余計な事を喋るんじゃねぇ。始末しざるを得なくなるだろうが」
…どうやら先ほどのは見てはいけないモノだった様ですね。
「この子達を生かしておいても厄介な事にしかならないと思いますけど。特にこっちの彼」
そういい僕をみる男。僕も彼を見る。目が合い、微笑まれたが、そんなのしるか。フンッ…と目を逸らし、土方と呼ばれた彼を見た。
「…とにかく殺せばいいってもんじゃねぇだろ。…こいつらの処分は帰ってから決める」
「俺は副長の判断に賛成です。長く留まれば他の人間に見つかるかもしれない」
マフラーの意見に戦闘狂は嫌々殺気を辞めた。
「死体の処理はいかがように?」
「羽織りだけ脱がしとけ」
「御意」
死体から羽織りを脱がせてるマフラーを横に、戦闘狂は彼女に近寄り話かけた。
「ねぇ、ところでさ…助けてもらったのに、彼に御礼のひとつもしないの?」
「……え?」
彼女は考えたそぶりを見せ、袴をはらいだした。
「えと、…助けてくれてありがとうございました!!」
『「「「……」」」』
……可愛い!!、でも、空気を読みましょう?可愛いですけど。
「――っ////わ、私も場違いかと思いましたよ!?でもこの人がっ!!」
顔を赤く染め、ピシッと戦闘狂を指差す彼女。
「あはははっ。僕は沖田総司。礼儀正しい子は嫌いじゃないよ(微笑」
「…ご丁寧にどうも」
沖田、総司?…と言う事はやはり土方っていうやつは土方歳三。
「わざわざ自己紹介してんじゃねぇよ」
「副長、お気持ちはわかりますがまずは移動を…」
「そうだね、行こうか」
――グイッ
「…っ」
「お前もだ。ついて来い」
暇つぶしに、行ってみましょうか。
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