蕾が咲いた
□参
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連れて来られた場所はやはり新撰組の屯所。手や足を縄で結わかれ個室へといれられた。
襖が閉められ、足音が遠ざかって行くのを確認し、僕は口を開いた。
『君、名前は何と言うんです?』
「あ、…雪村、千鶴です。あの、貴方は…?」
『僕の事は六道とでも、お呼び下さい』
別に名前を名乗っても良かったのですが、屋根に一人。気配を消してるようですが、バレバレですね。盗み聞きとは趣味の悪い…
「六道、さん?」
『はい』
「先ほどは、ありがとうございました」
『いぇ』
『「……」』
『…雪村さん。眠たそうですね』
「えっ!?」
『寝てもいいですよ。もう夜も遅い。遅寝は肌をわるくしますよ。貴女は女の子なんですから』
「そうですね……え?あ、あの、今女の子って…」
おや?バレていないとでも思っていたのですかね?少なくとも、先ほどの新撰組の彼らは貴女が女性だと気づいているとは思いますけど。
『クフフ…いいから寝なさい』
「……はい」
――朝
「ん……」
『起きましたか』
「あ……おはようございます。六道さん」
まだ目が冴えて無いようですね。目を擦る仕種が可愛い…。
「あの、六道さ『おや、誰か来ますね』…え?」
――スッ
襖を開けて入って来たのは優しそうな、少し年輩の方だった。
「おや、起きてましたか」
ニコッと微笑み彼女と僕の縄を解いた彼は、昨日の事でお話を聞きたい、といい僕達について来て下さいと言った。断る理由もないからついていく。
あ、ちなみに手首に巻かれた縄は結わかれたままですよ。
…雪村さんが震えていた。
『大丈夫、ですよ』
僕は彼女に聞こえる声量で話す。他人を励ますなんて…僕らしくも無いですね。
『僕が守ってあげますから』
「っ///」
「ん?顔が赤いけど、どうかしたのかい?」
「い、いえっ…」
「そうかい?ならいいんだが…着いたよ」
通された部屋には昨日の3人を含め、おそらく新撰組の幹部達が揃っていた。
「おはよう、昨日は良く眠れた?」
「…寝心地は、良くなかったです」
「ふーん。さっき見に言ったらぐっすりと寝ていたのに?(ニヤ」
「えっ!?//」
この男、嘘をつくなんて。まぁ彼女をからかいたくなる気持ちは分かりますが←
『嘘ですよ。彼は部屋に来てない』
「酷いなぁ君、ばらさないでよ」
『クフフ…僕が何を言おうと、僕のかってだ』
「うわー、生意気だねー」
生意気…。クフフ、言ってくれるじゃないですか。侍無勢が。
空いている座布団に腰を下ろす。正座なんて嫌いだからあぐらをかく。
「君、立場わかってんの?」
沖田総司が殺気を飛ばして来たがそんなの気にしない。こんな殺気、雲雀に比べたらどーってことないですしね。
『クフフ…君も座りなさい』
彼は無視して雪村さんに座るように言うと、彼女は躊躇いながらも座った(正座)
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