蕾が咲いた
□壱
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―能力―
――時が変わってここはボンゴレ邸――
「海夜はいつ帰って来るんだい?」
「海夜がいないと寂しいのなー」
「…まだ1日しかたってないだろうが」
「何言ってるんですか!?もし海夜が一生帰って来なかったらどうするんです!!早く帰って来て下さい。海夜ー!!」
……これは1時間程前のお話。いい歳した大人が泣くとか止めてほしいよ。キャラ崩壊しているっつーの。
「…なぁ骸」
「ズズッ…なんで、すか」
いまだに泣いてる骸に話しかけ、思った事を言ってみる。
「電話つながるかかけてみたら?」
普通に考えたらつながらないだろうけど。一応、ね。
もしかしたらつながるかもしれないしね。まぁ確率は低いだろうけど。
「!!綱吉!!それをもっと早く言いなさい!!」
え?なんで俺が怒られてんの?普通感謝する所だろ。
今ここ(談話室)にいるのは俺と骸の2人だけ。皆、骸が泣き出した途端部屋からでていったんだよね。
――プルルルル
あれ?どうしてだろう。骸とは数メートル離れてるのに、音がだだもれなんだけど。俺、こんなに耳よかったっけ?
――プルルルル
一応、つながってはいるんだね。後は出るかどうか…
――『…はい』
「「!!」」
出た。すっげ。時代違うのにつながるんだ。さすがボンゴレ技術で作った携帯←
「海夜!!無事ですか!?」
――『あー、はい。…どうやら僕、文久に来たらしいです』
文久と言えば、新撰組あたりか?たしか
「怪我とかありませんか!?」
――『頬にかすり傷が出来ましたが無事ですのでご心配なく』
女の子なのに顔に怪我って…。海夜にはもっと自分を大切にして欲しいよ。女の子なんだからさ…
――『で、まぁ色々とありまして新撰組に住み込む事になりました』
「「新撰組に!?」」
――『えぇ、「六道君、何してんの?」沖田、盗み聞きは良くないですよ』
電話越しに聞こえる男の声。…そういえば新撰組って男しかいないよな?
俺は骸の携帯をぶん取り海夜に話かける。
「海夜、新撰組でお世話になるんだよな?」
――『うん』
「局長さんにかわってもらえる?」
――『……え』
「お世話になるんだし、一言、ね」
――『…沖田、頼みがある』「なに?」『局長に会いたい』「……」
黙り込む電話越しの彼(沖田総司)にかわるよう、海夜に頼む
――「……」
「はじめまして、俺はその子の上司の沢田綱吉って言います」
――「僕は沖田総司」
「沖田さん、局長にかわってはもらえませんか?」
――「……」
「ご心配なく、こちらがどうしようがそちらには手が出せませんから、危害などうわえませんよ」
――「…本当かな」
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