君の隣(庭球長編)
□君の隣:1話
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階段を降りながら自分の教室まで行く途中
『…なんで昼休み行かなきゃなんねぇんだ?』
最後に掛けられた仁王の言葉が頭の中で突っ掛かり
そうこうしている間に教室につけば挨拶をしてくる奴にだけ挨拶を返し
『なんだよぃ…そんなにジロジロ見るなっての』
切「ジロジロ見てねぇし!!っつかなんで今来てんだよ!」
教室に入った瞬間こちらを見てくる赤也に声を掛ければ先程の言葉を取り消せとでも言うように赤也が突っ掛かってきて
『赤也の先輩に捕まっただけだよぃ』
突っ掛かってくる赤也にため息をはきながら
屋上にいた時の事は言わないようにテニス部に捕まったとだけ言い
切「先輩…?幸村部長か?」
『違う。幸村先輩に捕まったら終わりだろぃ?』
切「確かに…じゃあ誰だよ」
教える気はないがずっと聞いてくる赤也に痺れを切らしたのかため息をはきながら仁王先輩とだけ言い
切「仁王先輩!?ことり…お前仲良かったのかよ!」
『仲?当たり前だろぃ?』
赤也の隣の席に座れば周りの女子からピンクの声が聞こえ呆れるが笑いながら周りに手を振り
切「なんで俺に知らせねぇんだよ!」
『いや、なんで知らせなきゃいけねぇんだよぃ』
手を振った事でまたもやピンクの声が上がれば何かに拗ねている赤也に不思議に思いながらも眉間に眉を寄せながら突っ込み
切「俺らの関係は?」
『親友、だろぃ?』
切「なら…これからは教えろよ!」
『分かった分かった…』
不意に問われた事にサラッと答え
それを聞いた切原は満足げな顔をしながら言い
『昼休み、仁王先輩が屋上に来いって言われた…』
切「おぅ、昼休み、な…」
昼休みと聞いた赤也がニヤリと笑ったのにも気付かずに呑気に次の時間の用意をして
END