ゆめ

□おちゃめなしすたー
2ページ/3ページ


「そうだ、お茶入れますね」

 ぱたぱたと足音を立たせながら、ポットが置いてある棚に向かう。
 えーと、と言いながらふたの位置を探している。普通は上にあると思うのだが、とナバールは腕を組んで観察する。無論、彼女にはそんなコトは全く思わないらしい。

「あ、あった! あ、すみません。ちょっと待っててくださいね」

 ふたの位置をようやく確認してから、ナバールの視線を感じて、すぐにカップを出し、おぼつかない手つきでカップに注いでゆく。

「あ、紅茶飲めますか?」

 入れてからはたと気付くララ。ふたの位置を見つけ出したコトに満足し、中身を確認するコトを忘れていたのだ。

「ごめんなさい。もう。わたしったら、なんで中身見なかったのかな」

 そんな彼女の行動を見て、ナバールは口の端を少しだけ上げた。当の彼女は、自分のカップの中身をじっと見つめて嘆息している。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ