ゆめ
□おちゃめなしすたー
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「そうだ、お茶入れますね」
ぱたぱたと足音を立たせながら、ポットが置いてある棚に向かう。
えーと、と言いながらふたの位置を探している。普通は上にあると思うのだが、とナバールは腕を組んで観察する。無論、彼女にはそんなコトは全く思わないらしい。
「あ、あった! あ、すみません。ちょっと待っててくださいね」
ふたの位置をようやく確認してから、ナバールの視線を感じて、すぐにカップを出し、おぼつかない手つきでカップに注いでゆく。
「あ、紅茶飲めますか?」
入れてからはたと気付くララ。ふたの位置を見つけ出したコトに満足し、中身を確認するコトを忘れていたのだ。
「ごめんなさい。もう。わたしったら、なんで中身見なかったのかな」
そんな彼女の行動を見て、ナバールは口の端を少しだけ上げた。当の彼女は、自分のカップの中身をじっと見つめて嘆息している。