ゆめ

□わたしにできるコト・弐
2ページ/5ページ


 あの娘が居たところに戻ると、先程と同じように虚空を見つめてぼーっとしている。俺のあの行動は何の意味を成したのだろうか。何も変わっていない。
 するとこちらに気付いたのか、娘がこちらを振り向き、微笑みながらこちらに歩いてきた。

「ナバールさん。また来てくれた」

 娘、ララと言ったか。ララはそう言うと、俺の腕を掴んで
引っ張り、言う。

「なにか話したいんですよね?」

「……何故」

 ララはくすりと笑って、そのまま歩き出す。

「そんな顔してますからね」

 顔は特には変えていないつもりだが……。この娘は電波かなにかを感じて言っているのか?

「あそこに座りましょ」

 来たのは人気のない広場。イスが二つ、都合良く並んでいるところを指を差した。

「人、居ない方がいいですよね?」

 この娘は俺に対してどのような印象を築いているのだろう。別に人が居ようが居まいが関係ないが。
 そんなコトを考えていると、ララはイスに座れと促したので、とりあえず座る。

「ご用は何でしょうか。あ、当てましょうか!」

「…………勝手にしろ」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ