■長編夢小説〜夢見る翼〜

□序章
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−昔見た幻を、夢に見た−

黄金の翼をまとった若い青年が、自分に語りかけてくる。

・・・女神を・・・アテナをお護りしてくれ・・・

貴方は?

と問うと、青年はさびしそうな顔をして首を左右に振った。

・・・俺はもうあまりこの世で力を使うことは出来ないから・・・と

大丈夫、アテナは私が命の限りお護りする。
だから、そんな悲しそうな顔をしないで。

そう言うと、彼はふわりと微笑んでくれた。
その笑顔が嬉しくて、美矢も笑った。

昔、一度だけ見た、懐かしい幻。
その時にした彼との約束。

アテナを護る と。

自分が生まれた時から持っていた記憶と力は、この為に使われるものだったのだとその時理解した。
本当はかの青年が担うはずだった使命。
何故また自分に巡ってきてしまったのかは分からないが、これもまた運命。
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