長編

□No.3
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それからヤナは、オーガ学園に通うことになった。

…が、しかし。










「何でこんな問題が解けないわけ!?」

「…武道一筋。」

「はい、人はそれを俗に言い訳と言いますー。…次いくよ」



研究施設に幽閉され続けたヤナに、最高ランクの学力なぞなく。

結局、寮内のミストレの部屋で勉強会が行われた。








「ちょっと、バダップも手伝ってよ」

そして、通わせると言った当の本人は。
「…取り込み中、だ。」








…メディア番組を見ていた。








それを目撃した瞬間、ミストレの額に青筋が立った。

「ブチ殺すぞコラアアア!!」

「落ち着けミストレ!!」

今まさにバダップ喉笛に飛びかからんミストレを、エスカバが必死で止める。




その様子を、ヤナは不思議そうに見つめた。




何だ、こいつらは。
冷徹かと思ったら、まるで普通。

…統一してほしい。







「…おい三つ編み」
「ミストレだよ。覚えろっつってんだろ」

ナチュラルに毒を吐かれたが、スルーの方向。

…ヤナにも非はある。




「…ミストレ」

「よろしい。で、何?」

「お前たちは――本当に3TOPなのか」
「…?何でそんな当たり前の質問するの」

「…いやその」

濁しつつ、ヤナはため息をついた。











こんな賑やかさ、私は知らない…。








無性に心が満たされた気分になった。




私はもう、あの場所に戻らずともよいのだ。
 

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