短編

□神無月。
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今日、リトルギガントが。

イナズマジャパンに――負けた。








「ごめん、恋歌!」

「・・・」

健闘したにも関わらず謝るロココと。

むくれたようにふんぞり返っている恋歌が、そこにいた。




恋歌が呆れたように口を開く。

「誰なのかな、絶対優勝するなんて言って負けたのは」

「・・・ボクです」

「何故なのかな、ここに優勝トロフィーがないのは」

「・・・その・・・すいませんでした・・・」

深々と頭を垂れて、ロココが顔を上げると。




「・・・っ!?」

目一杯に涙をためた恋歌がいた。

「ちょ、恋歌!?ご、ごめんね、ごめんね!」

「・・・っ約束・・・破った・・・」

今にも溢れそうな瞳の雫を、必死で拭う恋歌。

「優勝トロフィー・・・きらきらしてて、綺麗だったのにぃ・・・っぐす」

「(Σ優勝トロフィーが欲しいとか言ってた理由、それ!?)」

ロココは一瞬間の抜けた表情になる。




「・・・ホントにごめんね」

「・・・もう区切りついてる」

「じゃあそんなに言わないでよ」

「お詫びがないってどういうことなのかな」

うっ、と苦虫を噛み潰したように、ロココは顔をしかめる。

「そう来たか」、と思った。

だが確かに何かしないと恋歌の気が収まりそうにないので。




「分かった」

ロココはそれを了承する。




そして恋歌を自分の方へ引き寄せたかと思うと――。




彼女の頬に、口付けをした。




「・・・っ!?」

予想外の『お詫び』に頬を染める恋歌。




「これで許し・・・・・・あ痛っ!!」

爆発寸前の羞恥を呑み込み、恋歌はロココに鉄槌を喰らわした。

「何で!?」

「自分で分からないのかな!!」

恋歌は耳まで顔を真っ赤にし、くるりと踵を返す。

「・・・?」

何故彼女が怒っているかも分からないロココ。











しかし理由付けして、恋歌に口付けが出来たことは「ラッキー」と思っていた。






「(そんなに嫌だったかなぁ)」

「(・・・嬉しい、けど嬉しすぎて死にそうなんだけどな・・・)」
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