『はぁはぁ…』
「すごい指締め付けてる」
『あっ、あんっ…、動かさないで…』
達したばかりでまだ息も整っていないのに、笑いながら指を動かし始めた彼はきっと天性のドSだろう。
力の抜けた身体では抵抗らしい抵抗も出来ず、彼のなすがままに反応を返すだけ。
「…そろそろか」
ずるり、と引き抜かれる3本の指。
それさえも感じてしまって、ぶるりと身体が震えた。
『せ、いじゅうろぉ…』
「挿れるよ」
『う、あっ…』
散々虐められたせいで体力が無くなったおかげか、余計な力が入ることなく彼のものを受け入れた。
ぐぷぐぷと歪な音を立てて進むそれは、重なった肌よりも熱い。
『あ、熱い…!』
「っ…く、こっちの台詞だ」
熱くて熱くて、蕩けそうだ。
そんな顔、反則。
余裕のないその表情に蕩けそうなのはあたしの方。
色んなもので胸がいっぱいで、彼の背中に抱きついた。
「なまえっ…」
『征十郎、好き、大好きっ…』
「…ああ」
愛してるよ、なまえ。
熱が、動き出す。
二人の液体が秘部から零れ落ち、太ももを伝う。
目の前まで来ている絶頂に身構えていれば、二人の唇が重なる。
『もうっ、駄目ぇっ、あっ!』
「…っく」
身体が硬直したと同時に、液体が注がれた。
*******
「まぁ、痛くはしてないよね」
『ど、どこが…!』
わたしは只今絶賛撃沈中。
たしかに行為自体は痛くなかった、痛くなかった…のだが
『こ、腰が折れる…!』
「大袈裟な」
この腰の痛みだけは予想外だった。
しれっとした顔で言い放つこいつを殴り飛ばしたい衝動に駆られるが、今それをすることは自殺行為のようなものだ。
『なんでこんなに痛いの…』
立つことはおろか、起き上がることすらできないわたしを見てさすがに哀れに思ったのか、彼の大きな手が腰を擦り始めた。
「こうすれば大分マシだろ」
『う゛〜』
未だにうんうん唸っていると、彼も一緒にベッドに入ってきた。
「今度腰を強くする筋トレを考えてみるよ」
『その前に手加減してよ…』
「そんだけ口聞ければ大丈夫だ」
『全然大丈夫じ…ゃ…』
「ふふ、おやすみ」
急な眠気に襲われ、彼の腕の中で眠りに落ちた。
いつもよりぐっすり眠れたことは、彼には内緒にしておこう。
微睡みの中の幸せを抱きしめて
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