短編

□嫉妬の炎で
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『あ…』


あれから兄様は、身体中のいたるところにキスをしては舌を這わせていた。服も脱がされ、わたしの身体には無数の所有印がつけられている。
なのに、決定的な刺激はくれなくてただただ感度だけ高まるばかり。


『ひ、ぁっ…』

「なまえは淫乱だね。腰揺れてる」

『い、言わないで、やっ…』

「こっちだけ可愛がってあげようかな」

『あぁっ!!』


痛いほど立ち上がった胸の突起に突然舌が触れる。過剰に反応を示せば、満足したのかゆるりと口角があがった。


「随分敏感になったんじゃない?」

『あっ、ああぁ…』

「ここだけでイケるかもね」

『やぁ…やだ、やだぁ…』



意地悪な愛撫に、言葉に、わたしはどんどん追い詰められて。
とうとう耐え切れずに涙が零れ落ちてしまった。


『ひっく…、ひっく、もう、いやっ…』

「なまえ、」

『意地悪する、兄様なんか…嫌いっ』


身体を丸めて、兄様に背を向けていれば。そっと頭に手が乗せられた。


「ごめんね。ちょっと虐めすぎたかな?」

『ぐすっ…、何で、こんな…』

「なまえが他の男といるのをみたら…ね」

『っ、違うの。あの子はただのクラスメート』

「分かってる。それでも不安なんだよ」

『…』

「愛してるよ、なまえ」


そう言った兄様は、いつもの優しい顔をしていて。

ぎゅっと抱きしめてくれた手は温かくて。


『わたしも…兄様だけが、好き』



そっと重なった唇は愛情でいっぱいだった。


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