『あ…』
あれから兄様は、身体中のいたるところにキスをしては舌を這わせていた。服も脱がされ、わたしの身体には無数の所有印がつけられている。
なのに、決定的な刺激はくれなくてただただ感度だけ高まるばかり。
『ひ、ぁっ…』
「なまえは淫乱だね。腰揺れてる」
『い、言わないで、やっ…』
「こっちだけ可愛がってあげようかな」
『あぁっ!!』
痛いほど立ち上がった胸の突起に突然舌が触れる。過剰に反応を示せば、満足したのかゆるりと口角があがった。
「随分敏感になったんじゃない?」
『あっ、ああぁ…』
「ここだけでイケるかもね」
『やぁ…やだ、やだぁ…』
意地悪な愛撫に、言葉に、わたしはどんどん追い詰められて。
とうとう耐え切れずに涙が零れ落ちてしまった。
『ひっく…、ひっく、もう、いやっ…』
「なまえ、」
『意地悪する、兄様なんか…嫌いっ』
身体を丸めて、兄様に背を向けていれば。そっと頭に手が乗せられた。
「ごめんね。ちょっと虐めすぎたかな?」
『ぐすっ…、何で、こんな…』
「なまえが他の男といるのをみたら…ね」
『っ、違うの。あの子はただのクラスメート』
「分かってる。それでも不安なんだよ」
『…』
「愛してるよ、なまえ」
そう言った兄様は、いつもの優しい顔をしていて。
ぎゅっと抱きしめてくれた手は温かくて。
『わたしも…兄様だけが、好き』
そっと重なった唇は愛情でいっぱいだった。
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