追想の篝火
□第4話
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『パアァン!!』
竹刀の音が鳴り響く
今は丁度稽古の時間だった
「また負けたぁ〜」
兄の晋助に続き
小太郎にも一本取られた清芽
だがそれは毎回のことである。
この二人は飛び抜けて剣筋が良かった
「悔しい!!」
「清芽ちゃん、惜しかったね」
稽古を見学していた菊
「‥‥うん」
「何でお前女なのに一緒にやってんの?」
ずっと不思議だったことを
銀時は尋ねた
「強いほうがいいもん‥‥
男に負けるなんて癪なの!!」
「ふーん」
「清芽負けず嫌いだもんね」
小太郎は汗を拭きながら言う
「ねぇ‥‥銀時くんも勝負してみない?」
「え///!?
‥‥べ‥‥別に良いけど」
名前を呼ばれたことに
少し気分が舞い上がる
「でも清芽ちゃん、立て続けで勝負するの?」
「大丈夫」
*
「‥‥嘘‥‥
負けた」
銀時には勝てると思っていたのか
かなりの落胆ぶりだ
銀時は晋助達に劣らぬ強さだった