[ハ]短編
□掴める位置
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次の日も舘白は
髪をポニーテールにしていた
「頭キツく縛りすぎて
いつかハゲちゃうんじゃないの?」
挑発にも聞こえる言葉を
吐きながら揺れる髪を掴んだ
「わ!何よいきなり」
「掴みやすい位置にあったから」
─ひょこひょこひょこひょこ。
─揺れる髪が気になって
しょうがないんだよ。
「あたしの髪で遊ぶなーー!!」
「遊ばれたくなかったら
結ばなきゃいいじゃん」
別に彼女は悪くない
僕が面白がっているだけだ
「おいこら、月島!
舘白のこといじめてんじゃねー!」
「日向〜!」
かばいに来た日向のところへ
舘白は走っていった
それに僕は少し苛立った
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