BL

□痛々しい包帯
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謙也さんの足に巻かれている包帯

それは痛々しいほどに白く、日々の練習でうっすらと焼けた彼の肌に良く映えた。

スピード命!で生きている謙也さんは今どんな心情をしているのだろうか・・・

「ほんま・・・アホとちゃいますか?『NOスピードNOライフ』売りにしてる本人が足怪我して、どないするんですか。」

「・・・んなっ!!!」

いつもの憎まれ口を叩いてやると、拗ねたように謙也さんは自分の足先を眺めた。

きっと、彼は思っているより辛いのだろう・・・テニスが出来ないことが。

(・・・ほんま、俺の気にもなってほしいっすわ)

好意を抱いている人と同じペアになれたことがどれだけ嬉しかったことか・・・

きっと、彼にはわからない。

泣きたいほどに嬉しいと感じた過去・・・

なのに、何の自覚もなく謙也さんは怪我をし、俺とのテニスの時間が減っている。

いや・・・それよりも・・・

「・・・ほんまに、これ以上心配かけんといてください。」

小さく呟いた言葉に、彼が反応し大きな叫び声が上がったのは、

俺たちだけの秘密・・・

と言いたいのだが、実際は全校生徒に聞こえてしまっていた―――――





痛々しい包帯


本当に痛々しいのは

謙也さんの拗ねた顔

 

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