□今日も明日も7
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その人影に向かって行くと向いにジミーも見えた


正確にはジミーがこちらを向いて座っていて、その人影は頭しか見えていなかったのだけど




「居たのかジミー」


「押し掛けてきたくせに!?失礼で済まされないんですけど!坂田さん!」


すかさず突っ込むジミーを沖田君がばっさりと切る

「目立たねぇのがいけねぇんでさァ、


……後でおぼえてろよ山崎」


「ちょっ!来て早々何怒っとるんですかこの人!」

一方的に罵られる山崎を尻目に、俺は大人しく座っているお目当ての人物に話し掛けた


「よォ、こないだぶりだな」

「…おー」

小さく返事は返ってきたが、目はこちらを見ようとせず手元の…黄色くなった丼を見ている
照れてんのか?



「アレ?…人違いか?」

わざととぼけて
ひょいと同じ目の高さまで屈み顔を覗き込んだ

鼻が触れそうな距離で見つめてやると、土方くんは一気に赤くなり


ゴンッ!

「ッ…」
「あ…」
「え?」

後ろに顎を引いた勢いで、仕切りの壁に頭をぶつけてしまった


「坂田さん!
何やってんすか!
大丈夫ですか!?土方さん」

心配するジミーと、
自分の行動に恥ずかしくなりまた赤面する土方くん。



「うわー、この人真っ赤でさー、ウキキッって言ってみなせェ?」

ニヤリと笑い追い討ちをかけるサド王子

(頼むから、この子に目ェ付けませんように)


「沖田さん!いらんこと言ってないで、さっさと座ってください

本当すいません土方さん、

あの、こちら坂田さんと沖田さんです。」





紹介されたから

「初めまして、坂田でーす」

と言うと、目を見開いてこちらを見た土方君は、めちゃくちゃ寂しそうな顔で、
初めまして…と返してきた


(やべー…



何ですかその顔は、)


予想以上の反応が見れて
大満足です。


(はまっちまいそうだなオイ…)







「そういえば他の人等はどうしたんです?」


「面倒だからパスだとよ」


「ザキの癖に来なかったのがわるぃんでィ」

「ハハハッ…」




それから、しょうもない話をしていて気が付いた
土方くんのツッコミは
たまにずれている

(実は天然級のボケ…と。)


飯にマヨネーズをかける異常な行動を見て
沖田君はあからさまに
きもちわりぃと言うような顔で土方くんを見ていたが、
…いや実際にきもちわりぃと聞こえたが
平然と、食わず嫌いか?なんて不思議な顔をしていた




「パフェ、パフェ
…チッ、いちごねぇのかよ」

「さっき食べてたじゃねぇですかィ、ホールケーキ」

沖田君に言われて思い出した
あ。



「山崎、君。誕生日」


「はい、…って覚えてくれとったんですか??」


びっくりするジミー

「「いや」」

俺と沖田君は揃って否定した

ヤローの誕生日なんざ憶えてるわけねぇだろ。本当に忘れていたからね


「誕生日に託けてケーキは買ったけど…」

そういうと、だいたい悟ったらしい
ありがとうございますと、笑ったジミーは照れくさそうに頭をかいた

誰もおめでとうなんか言ってねぇ
と沖田君は呆れた顔をする


「わりぃ、俺も知らなかった、…めでとう」


やりとりを聞いていた土方くんが困った顔をする


気持ちだけで充分ですよ!と礼をいっているが、

(今日、今、ここに土方くんを(多分)誘ってきてる時点で気持ちだけじゃないからな?ジミー君。)

と心の中で丁寧にツッコんでおいた



だって下心しかみえねぇ
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