銀
□今日も明日も9
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ヤベェ、どうしてくれんの、この心臓。
バクバクうっせぇ…けど、
抱き締めた腕の力を中々緩める事ができなかった。
土方君が小さく震えてんのがわかったから。
俺の頬が熱くなるのがわかったから。
(見られたくねぇ…)
すん、と深呼吸するとタバコの匂い。(柔軟剤の匂いもすんな…)あぁ、この子の匂いだとダイレクトに感じることができて、くすぐったくなる。
俺が一人で浮かれていると横腹辺りをやんわり掴まれるのがわかった。
ギュッと苦しくなるくらい抱き締める。
苦しさからか土方君が「クンッ」と鼻を鳴らすもんだから可愛くてまた押し倒しちそうになった。勿論我慢。
ゆっくりと力を抜いて目の前の瞳を覗き込んだ。
ユラユラ不安げにゆれる瞳が俺を見つめる
何か言いたげな唇が震えてる。
(殺す気ですか。コノヤロー)
どうして土方君にこんな顔させてるのか…勿論知ってます。にしても可愛いなオイ。
(好きな子いじめてーンだよなぁ…)
俺に夢中になりゃいい。
そう思いながらもう一度唇を重ねた。
。