薄桜鬼

□舞散る桜
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桜の花びらがひらひらと舞い落ちる。
「…綺麗なものだな」
千景は、そう言って
桜の花を見る。
綺麗。確かにそう思った。
辺り一面、桃色一色でおおわれて、
ひらひらと舞って散りゆく桜は、凛々しかった仲間達の様で…。
「……そうだな」
ふっと思わず笑みをこぼし、俺は咲き誇る桜の花びら達を見上げる。
そして、思い返す。
桜舞う中、皆で花見に行ったあの時を…。

『何やってんだよ、土方さん!早くいこうぜ!!』
はしゃぐ新八。
『新八、そう急ぐなって』
それを止める原田。
『今日くらいいーじゃん!花見なんだからさー』
新八に加勢する平助。
『…僕は留守番で良かったのに』
だるそうに言う総司。
『総司。文句を言うな』
総司を叱る斎藤。
そして、
『そうだぞ、総司。今日は楽しもうじゃないか』
楽しそうに笑う近藤さん。
皆との思い出が俺の心を熱くする。
気づけば、涙が頬を伝う。
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