薄桜鬼
□いつか貴方に届くまで
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2月14日。
甘い香りが漂う今日は女の子にとって、すごく大切な日。
もちろん私も女の子だし、心に想う人だっている。
だから今日、あの人にチョコレートを作ってきたのだけど…
「沖田先輩!!これ、もらってください!!」
「私も!!」
遠い所からでも聞こえる、女の子達の声。
沢山の女の子達に囲まれて、一つ一つ丁寧にチョコレートを受け取るその人は、私の好きな人。
ーーー沖田総司先輩。
ルックスが爽やかで女の子に大人気の先輩だ。
ーーーーーはあ。
爽やかな朝だというのに、思わずため息をついてしまう。
それもそのはず。
自分の好きな人が、自分以外の女の子のチョコレートを笑顔で受け取っているのだから。