薄桜鬼
□愛をこめて
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「仕事があったんだよ。
…ったく何で俺が隠れて昼飯くわなきゃならねぇんだ」
ぶつぶつと文句を言いつつも近くにあった椅子に腰掛け、
昼食を食べる。
千景は机と椅子を俺と向かい合わせになるように並べ直し、
自分も昼食を食べ始めた。
千景の弁当はいつもうまそうだ。
自分で弁当を作っているらしく、時々俺にも作ってくれる。
本当は毎日作ってやるとも言われたのだが
それは断った。
なんとなく、気恥ずかしかったからだ。
なんか……ふ、夫婦みたいで…///
「歳三」
「えっ!?…なな、なんだよ…///」
不意に名前を呼ばれ、驚きのあまりビクンと体が反応する。
「……ん」
「……あ?」
千景の方を見ると
フォークで刺してある唐揚げがこちらの方へ向いている。
「何だよ」
「やる」
ズイ、と俺の口元に唐揚げが近づく。
やるって、別にいいのに…。