Jigokudo

□ひとりきりrainy day
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浮気は男の甲斐性である





その言葉はまさにこいつのためにあると言っていいかもしれない


開かれる事のないどこでもドアをちらりと見やりながら椎名はそんなことを思っていた


相手は指折りの実力を持った魔弾の射手だ、そうそう会いに来れる訳ではない

今頃どこかで狩りでもしているか、彼の愛弟子達の指南をしているか…

「…………」

そう、彼の周りには沢山の愛弟子がいる。きっと彼の好みも交じっているであろうそれにもきっと彼は以前と何等変わることなく接しているのだろう

ああして自分に愛を囁くようになってからも



(…馬鹿馬鹿しい)


嫉妬など、したところで無意味だ。不毛だ


あの手は最早不治の病と言ってもいい
咎めたところで聞く訳がない
それどころか逆に可愛い奴だと相手を付け上がらせる事にもなりかねない


…椎名にとってはむしろそっちの方が嫌だった






無駄に時間が有り余っているとこんな下らない事を考えてしまうものだ
まったくもって自分らしくない

外は雨、いつものようにてつしたちとくたくたになるまで遊ぶ事も出来やしない


(あぁ嫌だ…)

こんな気持ちになっていては何かよからぬものに付け入られてしまいそうである


なんて厄介な感情を抱えてしまったのだろう

こんな青臭く悩んだりしている内は自分はまだまだなのだろう

むしろあの男のようにその感情を自分の思うように楽しんでいけてこそ初めて一人前なのだろう
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