Jigokudo

□触れて抱きしめてくちづけて
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椎名の母である美麗母ちゃんとその兄である光伯父さんは帰国子女だ

そのせいだろうか、久々に会った時のスキンシップったらない

光伯父さんはまず椎名を軽々と抱き上げてぎゅうぎゅうと抱きしめてからキスの嵐を降らせる


毎度恒例のものなので慣れてしまったのか椎名はただそれをされるがままになる




帰国子女……というわけではないがそういえば蒼龍も仕事で一年の内の大半をヨーロッパで過ごしているのだったか

マナーは勿論レディーファーストな精神も完璧だ(あの流華を骨抜きにするくらいだ)



ならば仮にああいったスキンシップをしても平気な顔を出来るのだろうか……






「………ないな」

自分達みたいなのにいいようにからかわれているのがスキンシップに慣れてるとは思えない

そう思うと僅かに悪戯心が湧いてくる


思い立ったなら実行あるのみ
そしてそれを実行する日は意外にもはやく訪れるのだった







「あ、ソーちゃんだぁ!」

「げ!」

「げ!ってなんだよ?!おいコラ蒼龍」

「ひっどーい!」

「君達大体学校はどうしたんだい!今午前中だろう?またサボりか!」

「いいじゃんそんなこと!それより事件?なぁなぁ!」

地獄堂に上がり込もうとした蒼龍を真っ先に駆け付けたてつしとリョーチンが丁度足止めする形になっている
よし、いい位置


椎名はぎゃいぎゃいと騒ぎ立てる三人の近くにつかつかと歩み寄り蒼龍の前に立った
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