Jigokudo

□Thanks for Your all!
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「すっげぇぇぇっ!アストンマーチン!V12ヴァンキッシュ!ボンドカー!!」

「気に入ったみたいだね」





今日はユースケのバースデイだというので祝う名目でさらってきた(犯罪)


はじめは渋っていた彼もドライブに連れていくと言ったらようやく機嫌を直してくれた
車(高級なのに限り)が好きな辺りやはりまだまだ可愛い男の子だと思う


他の二人も誘うべきではあったと思うが生憎この車は2シートしかない。その旨を申し上げたら今度は皆で連れていけと半ば強引に約束されてしまった


それでもこの日に二人で出掛けられるから文句はない



「わ……シート皮張り……」

いつもはそれほど感情の起伏を見せない彼が珍しく興奮している
これなら誘った甲斐もあるというものだ



「確かこれ“ダイアナザーデイ”の時使われてたんだよな。すごい……」

ぺたぺたとシートに触りながらユースケがうっとりと溜め息をついた

以前には見ることが出来なかった新たな表情だ


「喜んでいただけて光栄な限りだね。さて、ジェームスボンドのような冒険とはいかないが一緒にドライブでも?」

「へぇ、どこへ連れていってくれるの?」

「それはまだ秘密だ」



言ってしまってはつまらないからね、と勿体振って返せばユースケも察してくれたのか大人しくシートベルトを締めた


「じゃあ、楽しみにしておく」

「期待に沿えるといいがね」









朝までには帰りたいというユースケの為に車を飛ばして数時間、その目的地に着く頃には隣に座っていたユースケも疲れて眠ってしまっていた

時間は丁度よい頃合い。車を止めるとシートベルトを外して眠る姫君をそっと揺すった
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