Jigokudo

□Metallic heart
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『君は私が守る』

そう言われた時だった




それってなんか違くないかと思ったのは





椎名の自室で努めて優雅に紅茶を啜っていたこの部屋の主は向かいで同じく紅茶のカップを置いた客人を見つめた

「蒼龍」

「なんだい?」

少し不機嫌そうな表情を浮かべているようにみえる椎名を不思議そうに見つめながら蒼龍は尋ねた

「それってどういうこと?」

「どう、って…そのままの意味だが」

何か悪いことを言っただろうか?そう言わんばかりの蒼龍に少し呆れたように溜息をつきながら椎名が返す

「俺はあんたにとって守ってもらわなきゃなんない程にか弱い存在だと思われてるわけ?」

「何もそんなことは言ってないだろう?」

「…言ってるじゃん」


なんかちょっとムカつく

そりゃキャリアも実力も差はあるけどさ

「俺にも一応男としてのプライドってもんがあるんだけど」

「…………」

あ、ちょっと気まずそう

でもそれだけは譲れない

「俺はあんたのこと好きだけどあんたに寄り掛かりたくはない」

対等でなきゃ意味がない

そのためならどこまでだってのぼりつめてやる





「敵わないなぁ…裕介君には」

やがて降参したように肩を竦めて蒼龍が苦笑を浮かべた

「それなら私がつらい時は私の背中を守ってくれないか?かわりに君が苦しいときは私が手を貸すから…それでどうだい?」

「ふ…ん、悪くないね」

笑んだ唇に不意打ちでくちづけを落とされる

「……っ……!」

「対等を望むならたまには君からのキスも欲しいところだがね」

そうやってしてやったりな笑みが少し憎らしくて椎名はそっぽを向いてみせた

「…やな奴」

ぽつりと呟いて椎名はそっと彼を見遣った

やがて小さな溜息と共にその腕の中に飛び込むと、掠め取るように唇を重ねた




どこまでも昇りつめて
限界なんて見えない



それが俺達のアイのカタチ





END





おまけ

「少しは私の方に頼ってくれたりするのかな?」

「…なにそれ?」

「いや、いつになったらてつし君達よりも優先順位を上にしてくれるのかと思ってね…」


…ひょっとして、嫉妬?


「蒼龍って意外とお子ちゃま」

「うるさい」




今度こそEND☆







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