Jigokudo
□シーナンといっしょ〜シーナンと暮らそう
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知人のそのまた知人の頼みで、ペットの面倒をみることになりました
〇月×日
どうやらその人はどうしても落とせない原稿に集中するために一時的に預けにくるらしい。…私も忙しいんだけどなぁ
程なくして我が家にその生き物はやってきた
名前は“シーナン”というらしいのだが…ゆ、裕介君にそっくりだ(汗)裕介君をそのままミニチュアにしたようなそんな感じだ。か…可愛い!可愛過ぎる!
ふと気付くと刺すような冷たい視線が
「あんまりじろじろ見ないでくれる?ウザイ」
…本当に裕介君そっくりだ。この口の減らない生意気な所も(怒)
何はともあれ私とこのシーナンとの生活が始まった
〇月△日
とりあえず自己紹介をしてみる。
「私は藤門蒼龍。今日からしばらく君をお世話することになったんだ」
「そー…りゅー?」
「え…と、とりあえずお腹空かないか?ご飯にするかい?」
ガラスケース越しに彼が小さく頷いた。…イイ!
裕介…いやシーナンの生活の全ては私の手の上に…私の…
「…何鼻血出してんの?なんか気持ち悪い」
ハッ、興奮のあまり鼻血がっ
あぁ…シーナンが白い目で私を見ている…明らかに不信感を抱いている!
これはまずい…
「は…ハハハ!ゴメンよ、今準備するからね」
「………」
言いながら預かった荷物の中から箱を取り出した
「これかな…?“シーナンディナーパック”…」
中にはレトルトパックのような食品が詰まっている
「え〜と…」
「シーナン、ごはんだよ」
ケージを小さく叩くとパソコン(ちっさい)のモニターとにらめっこしていたシーナンが顔を上げた
「ほら、はやくしないと冷めちゃうよ」
ケージの中に手を入れて急かすようにうにうにとほっぺを突くと少しむくれてみせながらシーナンが立ち上がった
「今行くってば」
言いながら差し出した手の平にひょいとつかまったちっさい身体を持ち上げるとケージの外に用意してあったテーブルの近くに降ろしてやる
まるで手のりインコみたいだな…