Jigokudo
□もしも君が選ぶなら
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「なぁ裕介、もしも俺とてつしがごっつい強い妖怪とかに襲われてたらどt「てっちゃん」
ほぼ即答に近かった
いつものように地獄堂に三人悪が入り浸っていた時のことだった
不意に店の引き戸が開き胡散臭い笑みを浮かべて「芋飴くれ」とやってきた…………暁
「何しにきたんだよテメー」
「そうだそうだ!」
「相変わらずうっさいねんお前ら。お子様はお家帰って宿題でもしとき!!」
また始まった三人の攻防に椎名とオヤジは我関せずで自分のことに没頭している
別に敵意は持ってない、だが別に進んで親しくしたいとも思わない
早い話がどうでもいいのである
「まったく煩いことよの……」
芋飴の入ったしわくちゃの袋を取り出しながらオヤジは欝陶しげに呟いた
椎名はぎゃいぎゃいと未だ言い合いを続けている三人をちらりと一瞥してから小さく溜め息をつくと再び手元の本の方へと戻っていく
そうして10分後…
「そういえば今年のグラコロもう食うた?俺割とあれ好っきゃねん」
「妖怪がグラコロ食うのかよ!俺はやっぱビッグマックだなー」
「俺てりやきチーズー」
(馴染んでる……)
この場合どっちがすごいのか……なんだかんだいって結構会話になっている
というか暁はいつまで居座るつもりだろう。なんか買った芋飴広げてるしてっちゃん達も違和感なくそれ食べてるし
それにしてもこの空気、そろそろか………先程から感じている嫌な予感に何かしらの覚悟をしながら椎名はページをめくろうとした
「おう裕介!お前もこっち来て芋飴食いや」
あぁやっぱり…
この流れからいくと絶対に自分にも声がかかると践んでいた
しかし自分のペースを崩されたくない。椎名は簡単に「自分はいい」と辞退しよう…とした
「椎名聞いてくれよ!こいつ“あげてんか”のえびコーンが邪道とかいうんだぜ!信じらんねー」
「えびコーンとかお子様の食い物やん!男は黙ってカレーコロッケやろ」
「いや、どっちもどっちだろ…」
「カレーもいいけどやっぱりえびコーンだよね!椎名だって好きだもんね!」
気付けばいつの間にか巻き込まれているし。しかし暁もてっちゃん達も至極真剣に論議しあっている
そしてよくよく聞いていると暁は上院町の食べ物スポットを意外にも網羅している。あげてんかやらなん中華やら
気になったがあえてつっこむ程の行動力は出なかった
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