Jigokudo

□HELP ME??
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「俺さ、今ストーカーに遭ってるんだ」

良く晴れたある日のこと、天敵三人のうちの一人が突然派出所にやってきてこんなことを吐かしてきた

奴の名は椎名裕介。三人の中で一番頭がキレて言動やら何やらがまるで子供らしくない子供でこちらの神経を的確に逆なでしてくるある意味厄介な存在

そいつがストーカー被害に遭っているから何とかしろと言うのだ


ストーカー……こいつに?


また新手の悪戯かと思いつつ奴を見下ろすと、また何とも読みにくい無表情で淡々と言った

「一応警察だし、なんとかしてよミッタン」

「……帰れ」


とても人にものを頼む態度というか助けを求めているようには見えない

つかミッタンいうなクソガキ

うっかり拳を握りそうになったそんな俺の心情をぴたりと読み取ったかのようにそいつは小さく肩を竦めてから言った

「こっちもプライドかなぐり捨てて頼んでるんだ。そんな些細なことで怒らないでよミッタン」

「だったらまずミッタンと呼ぶのを止めろ」

「……わかったよ三田村巡査」


ちょっと引っ掛かる言い方だがまぁそこはよしとしよう
で、ストーカーに遭ってるだったか?またどこかで悪戯して恨み買っただけじゃないのか?


「日頃の行いが悪いからだろ。ちったぁ反省しろ」

「そっち方面の恨みじゃないよ。だったら端からミッタンに相談しないって」

「だからミッタンいうなっつってんだろーが!!」

やっぱりおちょくりに来ただけだろお前?!捲りかけたメモ帳をバン!と机にたたき付けて思わず俺は叫んだ

しかしそんな俺の怒声もサラっと無視して椎名は深々と溜め息をついた

「こっちは貞操の危機なんだよ。もう少し真剣にとりあってよ」

「は?て、貞操ってお前男だろ…誰が盗るんだよそんなもん」

「…俺だって考えたくもないよそんな状況。でもそうも言ってられなくなったんだ」


そう言って奴はほいと右手を差し出した


「……何だよこの手は」

「ケータイ貸して。持ってんだろ、大人だし」

「なんでだよ」

「すぐ来てくんなきゃ意味ないだろ。だから携帯の方が手っ取り早い」

「ふざけんな。なんで俺のプライベートの教えなきゃいけないんだよ。せめてヤバイっていう物証見せろ物証」

「………」

とりあえず正論にはなるだろう俺の言葉に椎名は一瞬黙った後、辺りを見回してから「ここで?」と聞き返す


「ここでだ」




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