Jigokudo

□notice!
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なんか違う


唐突にそんなふうに思ったのはいつのことだろう



ああそうだ
確か前に蒼龍がおやじのところに来た時だ

蒼龍と口喧嘩みたいなやりとりをする椎名を見て「あれ、椎名ってこんな顔もするんだ…」なんてことをぼんやり思ったのだ

それが多分全てのはじまり

それから注意深く椎名を観察してみると出てくる出てくる、色々な表情の椎名

三無いとかそんなんない
椎名は実に色々な表情をすろ。相手の数だけ見えてくる椎名の色が知れば知るほどに…




「なぁなぁ、最近てっちゃん椎名のことよく見てるよな。椎名どうかした?」

「ん?いや…椎名ってヒョージョーユタカだよなって」

「おぉっ、てっちゃんの口からナンカイな言葉が…!」

「わ、わりぃかよっ!!」

「あははははは!ごめんってばー」

虫も殺さないような顔して意外と辛辣なツッコミをするリョーチンにデコピンを一発入れてからてつしは再び地獄堂のいつものスペースで本を読んでいる椎名を盗み見た

「俺といる時はどんな顔してんだろ…」

「えっ、知らないのかよ?!」

「うーん…」

イマイチ自信なさげに言うてつしにリョーチンが信じられない!といった表情で声を上げた

流石にその声の大きさに何事かと椎名が本から顔を上げてこちらに問うてきた

「二人ともなんの話?」

「べべべ別に大したことじゃねぇよっ!なっ、リョーチン!」

「あ、う、うん!」

「……ふーん」

二人の態度から隠してることなんてバレバレだというに…そんなことを思いながらも椎名はそれだけ言うと再び本に視線を落とした





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