Jigokudo

□シーナンといっしょ〜シーナンと暮らそう
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二発目が放たれる前に仕方なしに後ろを向いた

あぁ…すっかり飼い主(仮)としての威厳はどこへやら…
しかしそれが裕介君…いやシーナンらしいといえばらしい



ちゃぷん…


背後に静かな水音が響き不覚にも胸を高鳴らせてしまう


ぱちゃぱちゃ…


う…落ち着け!たかが風呂だ!思春期の子供じゃないんだぞ?!


「ふぅ…」

小さく漏れる溜息がなんとも色っぽい

肉眼が使えないと余計に想像力を掻き立てられるのは何故だろう
…男としての性というやつだろうか



…しーん…


…ん?
音が…聞こえない?ただ微かな息遣いと水音だけが伝わってくる

「シーナン?」

そっと声をかけてみるが反応はない

「シーナン?!」

慌てて振り返ったと同時に水面からぱちゃんと顔を出したシーナンと目があった

「あ」

「何焦ってんの?だっさ」

「君こそ何やってるんだい…」

てっきり静かに溺れているのかと思った…



〇月▲日

「えっ?!〆切りが増えた?もうしばらく頼む?」

期限日の朝、飼い主が来ないのを不審に思い連絡入れてみればどうやら新たな原稿の〆切りが増えてまたしばらく預かる羽目になってしまったらしい

参ったな…明日から仕事で移動移動しなきゃならないし、それだって何日と言わず何ヶ月で終わるかのめどもついていないというのに

勿論置いていく訳にはいかない

と、なると…

「シーナン…」

「どうしたの?迎えは?」

「それが…向こうの事情でもうしばらく先になったんだ」

「…ふぅん」

本人を思わせる淡白な返事
困っているのか怒っているのかわからない

喜んでいるようにはみえないことは確かだけれど



「シーナ…」
「別にいいよ」

「えっ?」
「オレあんたのこと嫌いじゃないし」

クールに言い捨てるその瞳は小さくても遥か遠く離れている愛しい彼の人に重なって

不覚にも私はそれを凝視してしまった


嫌いじゃない
素直じゃなしにそう遠回しに愛してると告げるその唇も
けして気安くは触れさせない孤高の水晶を思わせるその心も


未だ彼を求めて止まない私の心をひどく掻き立てた



「約束するよ。必ず君を守ると」

「…フン」

ナイト気取りはやめろと言わんばかりに瞳を伏せる姿も可愛いもう一人の君



そんな彼との生活を楽しむのも悪くない…





To be continued…




シーナンというのは原作者様のサイトに掲載されているパロ漫画で某魚ゲームの椎名Ver.なのです。
小さくても本人同様非常に辛口でマイペースな生き物です。でも可愛い

気になる方は公式サイトからURLを請求してみては如何でしょう?
同人要素満載ですが
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